九州乗り潰し激旅
一日目 品川-大分 8月12日-13日
■出発直前の望み
何としても手に入れたい臨時「ムーンライトながら91号」の指定席券。通常の「ムーンライトながら」よりも大垣到着が約1時間早いためである。指定席券発売日(1カ月前の10時) に出遅れてしまい午後1時ごろ窓口へ出向いたときにはすでに満席となっており、仕方なく通常のながらの指定席券(それも名古屋止まりの車両)を押さえておいた。にもかかわらず、91号の時刻で日程を組んでしまっている自分がいるのである。これが押さえられないと名古屋・米原間で新幹線を利用するか豊橋から91号の強行乗車を試みるかのどちらかをしなければならない。
ここ4日ほどみどりの窓口に通い詰めた結果いずれも満席であったが、多めに買い占めている人がいるはずという確信があり、当日キャンセルはきっと出るだろうという目論見が見事に的中し、何とか指定席を確保することに成功した。指定席券は1回のみ手数料なしで列車を変更できる制度があり、「乗変」というマークが印刷された指定席券を手に入れた。出発時刻の3時間前のことである。
■旅の引き継ぎ
東京駅
前日の夜「ムーンライトながら」で出発し、飯田線2人旅を終えた友人らと会うために東京駅へ向かう。オフ会と言ってもただ会って話をするだけのことだが、普段インターネット上でしか会えない人たちが意外な場所で時を共にすることに意義があると思う。仕事の都合上、彼らはほとんど日帰りに近い旅だったわけだが、自分はこれから5日間の盆休みをフルに利用して九州へ行くわけで、ある意味恵まれた職種なのかもしれない。2人の旅もいいなと思いつつも、一人旅だからこそこんな激旅ができるのだと自分に言い聞かせ、彼らと別れ品川へ向かった。
発車約40分前に着いてしまった「品川」の臨時ホームには既に「ムーンライトながら91号」の乗客が集まり始めていた。これまでの臨時「大垣行」だった頃は早い時間からホームの乗車口に人が列を成していたものだが、「ムーンライトながら91号」は全席指定なのでホームに並ぶ必要もなく、そのため階段に座っている人たちで通路が通りづらいのである。快速列車如きで臨時待合所を設置してくれとは言わないが、列車の入線時刻が発車5分前というのは何とかして欲しい。
■全席指定の快適移動
品川
23:48→大垣 5:55
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■大垣バトル〜関西入り
大垣
6:01→姫路 9:15
終点「大垣」には5時55分に到着。後続の網干行きには橋を渡って乗り換えなければならず、早朝から大きな荷物を持った人たちが座席を奪い合うという凄い光景を目にする。ホームの柱に貼ってあった文字にも注目。
「構内10km/h以下」
要するに走るなと言いたいのだろう。それにしても旅慣れない人にとって「網干」行きと聞いてもどの方面へ行く列車のか見当もつかないだろう。大垣に関しては人の流れで関西方面へ行く列車だという見当が容易につくが、未知の土地へ行けば行くほど発車時刻と目的地のほかに列車の行き先もチェックしておかないと発車間際に慌てることになる。なんとか座席もゲットできたので、米原までウトウトする。
大垣から乗車すること約30分で「米原」に到着。ここから新快速に乗り換えて姫路に向かう。この区間は阪急電鉄・阪神電鉄・山陽電鉄との競合区間であるため、各社がスピード競争・サービス競争を繰り広げており、この新快速はJR西日本の切り札として時速130キロで京阪神を一気に駆け抜ける。座席はバッタン椅子(転換クロスシート)な上、蛍光灯カバーが付いた車内など居住性は最高レベルで、こんな列車が15分おきに運行されているのだから、JRしか選びようのない青春18きっぷユーザーには出血大サービス列車であること請け合いである。
米原から窓側逆方向の席をゲット。ドアの間に5列ある座席のうち両端は転換しないので、どこか一箇所は向かい合わせになってしまう。座席のピッチは一緒なので足が伸ばせないのが辛い。他の車両を探せば空席があったと思われるが面倒だったのでそのまま「姫路」まで乗車してしまった。
■帰省ラッシュを初体験
姫路 9:37→小倉 12:02
これまでの激旅だったら新幹線を利用するなど考えにも及ばなかったが、このくらいの贅沢をしてもバチは当たらないと思い、自分はもう学生じゃないんだぞと、戒める目的も兼ねて思い切って小倉までワープすることにした。当たり前だがもう学割はないので正規の運賃で乗車することになり、乗車券・新幹線自由席特急券あわせて11,770円!青春18きっぷがもう一枚買えてしまう金額を投入してしまったが、社会人にとって6時間の差は大きい!?
帰省ラッシュに遭遇 乗車券類を購入した頃には姫路始発の「こだま」613号が発車4分前。慌てて改札口に入り跨線橋を渡って新幹線乗換口に到着。自動改札の様子がなんか変だなと思って改札口のお姉さんに「2枚入れればいいんですか?」とそこは出口だった。恥をかいている暇もなく、90度となりの新幹線の有人改札を通ってなんとか列車に間に合う。6両編成の車内はガラガラ状態でその上2+2列シートだったため、リッチな気分を味わう。このまま小倉まで乗っていたいけど、今後の行程がズタズタになるので「岡山」で下車。ここから「ひかり」365号に乗り換える。
岡山で「のぞみ」が先に到着したが、のぞみ料金を払うほどではないので1本見送る。ちょうど帰省ラッシュの時期なので嫌な予感がしたのだが、到着した「ひかりRailStar」も通路に人がいるほどの混雑。それでも座席はなんとか確保できた。自分にとって新幹線など高嶺の花なのに、周りは庶民的なカッコな人ばかりが目立つ。その空気は、「普通列車で東海道・山陽本線を横断するなんて、間違ったことをやっているんだと思い知れ」、とでも訴えかけているようだった。
列車は700系車両で、「ひかりRailStar」という名称がついている。JR西日本は「ひかりRailStar」に力を入れているようで、車内のLED表示器にはしっかりロゴで流れる。「のぞみ」に関してはJR東海にしょうがなく付き合わされている感じがしないでもない。
■いきなりローカル線
小倉
12:19→大鶴 14:12
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ここから日豊本線を経由して日田彦山線に入る列車に乗る。2両編成のワンマンカーで、後ろの車両は昔ながらの青モケットの座席だったので迷わず移動する。この路線は3月に乗ったばかりで、まさかあのとき半年も経たないうちにまた来ようとは考えにも及ばなかっただろう。このときは四国を一周したあとだったため、かなりの疲労で大半を寝過ごしたため、実質乗りなおしも兼ねている。今日は盆休みのためか座席が全て埋まる乗車率で、3月のときのようにボックスシート独り占めはできない。30分ほどで北九州市内から出て、山間部へと進んで行く。
後藤寺線、平成筑豊鉄道と接続する「田川後藤寺」で乗客が入れ替わるが、その後乗客は減る一方。福岡県を下っていくと県境は間近だ。大分県に入って最初に停車する「大鶴」で下車する。
■一人歩きの激旅
大鶴駅→夜明駅
次の列車までは1時間48分もあいているので、ひとまず2駅先の「夜明」まで歩くことにする。郵便局(貯金)が16時までなので次の列車まで待っていると間に合わないからである。列車の営業キロにして5.8キロ、実際の道のりはもう少し長めだと思う。荷物さえなければ余裕の距離なのだが…。
今山駅を望む。まだ半分も歩いていないのにバテ気味 景色は山が見えて美しいが、歩いても歩いても景色に変化がないのと時折高スピードで車に追い抜かれるのが精神的に疲れを増幅させる。
デジカメ画像に記録された時刻では2.5キロ先の今山駅が15時4分 夜明郵便局が15時38分となっていたので約3.3キロの距離に34分掛かっている。したがって少なくとも時速5.8キロで歩き続けた計算になる。しかし、「線路の近くに行った方が近道じゃん」などと思い横道にそれたら、やはり元の道に戻されてしまい余計に歩かされたり、これほど歩いているにも関わらず途中で写真を何枚か撮ったりしており、残り時間に対する残り距離がわかりにくい状態だったので、実際はさらにピッチを上げて歩いたはずである。今回もまた激旅らしい事をやってしまった。
■無人駅に鉄警隊
夜明
16:10→日田 16:21
郵便局で貯金を終えて、「夜明」に辿り着く。ここは久大本線と合流する乗換駅だが無人駅で駅前は寂しい。間もないうちに雨が降ってきてしまったが、歩いている最中でなかったことが何よりである。それよりも鉄道警察隊の人が「こんにちは〜」と言いながら来たのにはびっくりした。悪いことしているわけではないのになぜか緊張してしまう。詳しいことは分からないが地元の利用客との会話から察するに、どうやら何日か前、特急列車が通過する際に人身事故があったらしく見分していたようだ。線路を歩く風習が根付いている限りこういった事故は無くならないのかもしれない。
日田彦山線から来た日田行きの列車で終点まで乗車する。
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■大雨で立ち往生
日田
17:25→由布院 19:04
日田は「九州の小京都」とも呼ばれる古い街並みが見どころであるようだが大雨のため散策は諦め、駅前のスーパーに買い出しへ行く。ここで「かしわめし」を購入するも、日田駅に戻ってから割り箸が付いていないことに気付く。歩き疲れたことと雨とで、割り箸もらいに戻る気力すら無くなっていた。列車に乗ってからどうやって食べようかと考えた末、誰にも見られていないことを確認してラップで掴んでおにぎりにして食べた。ボロボロ崩れるので大変だった。
対向列車と行き違い
玖珠川を渡る あいにくの雨で何も見れなかった「日田」を後にして、「由布院」へ向かう。2両編成のワンマンカーで、列車は玖珠川に沿って走り、由布盆地に入ったところで由布院に着く。
久大本線で「大分」までの途中には、自分の苗字がつく名の駅があるのだが、ちょうどそこで対向列車との行き違いで3分停車し、近くにJR九州の職員がいたので駅名標のところで写真を撮ってもらった。
■終車までの時間潰し
由布院
20:11→大分 21:07
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由布院駅に戻ってみるとちょうど大分行きが発車する間際だったので、とりあえず「大分」に行くことにする。今日のメイン行程は予定通りに終わり、外が真っ暗で景色が見えないのも計算のうちなので問題は無い。大分に着いたものの、こんな遅い時間では何もできないのでみどりの窓口へ行く。帰りの「ムーンライト九州」のキャンセルを確認し、結果は満席。しっかり計画を立てていればこんな事態にならずに済んだのに、なぜかそのときは「ムーンライト九州」の存在自体を忘れていたから仕方あるまい。駅構内の待合所でBSテレビを観て時間を潰す。
■どこかでねぐら探し
大分
22:??→某所 23:??
計画では大分に健康ランドがあることは調査済みで、そこで仮眠をとればよいことなのだが、さきほど由布院で銭湯へ行っているため、わざわざまた風呂へ行く必要は無いなという判断で、今日はどこか珍しい所で寝てしまおうという、激旅精神の血が騒ぎ出した。さすがに自分は良識ある人間だと思っているので、利用時間は終車後〜始発前、駅を汚さないという点を念頭に置いている。今回訪れた某所は待合所の戸が完全に閉まり、これまでで最高クラスであった。唯一悪い点は柱時計が30分おきに鳴り響くことくらいである。蚊の先客が5匹ほどいたがすべて倒したので快適に過ごせた。